あなたの心配・不安にこたえます。くまもとアレルギー相談室 @熊本県アレルギー疾患対策拠点病院

よくある質問

以前、ピーナッツはあまり提供しない方が良いと聞いたが、早く提供した方が良いと言われる方もいる。
どちらが正しいのでしょうか。

離乳食での食べ始めを遅らせても食物アレルギーの発症予防にはなりません。ピーナッツの導入を遅らせることがピーナッツアレルギーへの進展のリスクを増大させることに繋がる可能性があるとして、欧米では、アレルギーのリスクがある赤ちゃんに対し、4-11か月でのピーナッツ開始を推奨しています。
しかし既にピーナッツアレルギーを発症している児には効果がなくむしろ危険です。日本では、食生活も異なるため、現時点では推奨されていません。不安な場合はかかりつけ医に相談しましょう。

ただ、安全を最優先させるべき給食と、自宅での対応は別です。
厚生労働省の保育園におけるアレルギー対応ガイドラインでは、未摂取の食品は自宅で食べてから開始することになっておりますし、生活管理指導票にも「未摂取」の選択肢があります。少なくとも保護者がピーナッツアレルギーを疑い、除去食を要する場合、生活管理指導票の提出を求めます。病院と保護者で、除去の要否や摂取開始を検討します。
もっとも、 日本の食習慣を考慮すれば、また誤嚥の問題もあり、年少児でピーナッツを食べている児はアレルギーの有無に関わらず少ない印象があります。先生方の対応を簡素化するために、一定数の児童が食べている年齢以降での提供の開始も考慮できるかもしれません。