あなたの心配・不安にこたえます。くまもとアレルギー相談室 @熊本県アレルギー疾患対策拠点病院

よくある質問

0歳児のアレルギー検査はできるのでしょうか。(保健師 20代)児が全身に蕁麻疹が出て、救急外来を受診し、アナフィラキシーと言われたが、まだ小さいからアレルギー検査はできない、様子をみましょうと言われたそうです。また、熊本ではアレルギー検査や試験をあまりしないとも聞きました。地域や病院により、診断の方法が違うのでしょうか。

お母さまにご不安があれば、かかりつけの小児科受診をお勧めください。必要に応じて検査の要否や専門医への受診を検討されます。救急外来で行うのは一時的な処置までです。

食物アレルギーの診断は問診が重要です。蕁麻疹だけが症状であれば食物以外が原因となる可能性も高いです(https://www.kumallergy.jp/case05/)。アナフィラキシーであれば(https://www.kumallergy.jp/case01/)食物アレルギーも疑われ、離乳食で再度食べてしまうとアナフィラキシーを起こすことも心配です。また、未摂取の食品も多い時期であり、お母さまの食物アレルギーの不安にて離乳食が進まないケースにも遭遇します。

 問診で食物アレルギーを疑われた場合、裏付け検査として疑われた食品に対する血液検査(特異的IgE抗体の存在)を確認します。ですが6か月未満の乳児では、食物アレルギーがあってもその食べ物に対するIgE抗体が陽性に出にくいことがあります。月齢が不明ではありますが、件の救急外来の先生はそのことを言われたのかもしれません。

問診や血液検査でも原因食品が特定できない場合、実際にその食品を食べてみる「経口負荷試験」が検討されます。ご指摘の通り、経口負荷試験の実施可能施設や専門医は全国的に少ないのが現状ですが、熊本県はかかりつけ医と専門医が連携して診療に当たっております。地域の保健師や栄養士の方々にフォローいただけると心強いです。状況に応じてかかりつけ小児科医や専門医にもご連絡ください。